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手枷を嵌められ、俺と篝火は特別指導室に連行された。
「なんだここは?妙な場所だな」
「入るときドアの上の方に『特別指導室』って書いてあったろ。その身長で見えなかったのか?」
「ア?んなもんみてねぇよ、『特別指導室』だと、まったく入学初日にとんだ誤算だ」
篝火が手枷をカチャカチャと音を立てながら強引に破ろうとしている。
「無駄だ、その手枷はなにがあっても外せねぇよ。鍵がないとな」
「鍵だと?………前の教師が持っている鍵か?」
前の方に小太りの男性教師がいた。後ろポケットに沢山の鍵を輪っかに通してぶら下がっていた。
「ああ、あの内の一本だ。一応忠告しておくが、鍵を取ろうなんて無謀な考えはするなよ」
「んな事するか、手が出せないんじゃどうしようもない」
と篝火は首を横に振る。意外と冷静だった。もっと暴れると思っていたが。
「おい、そこの二人。ちょっと来い」
と一人の生徒が俺たちに向かってそう言った。右胸には何やらバッチが輝いている。
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