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「……それってどういう事?
それにあなたからみんなが言うような嫌なもの感じないわ」
そうなのよね。
この屋上女さんからは嫌な感じがしない。
むしろ、柔らかくて温かい感じがするの。
「……あなたの心が優しいからよ」
屋上女さんは優しく笑った。
「あたしの心が?」
思わずあたしは聞き返した。
「幽霊ってね、実体がないでしょ?
だから大抵その人のイメージと霊との波長……つまり霊波が一致してイメージが具現化されるのよ。そして性格も具現化され凶暴になったりするの。
あなたは私達に対して優しいのよ、私の本当の姿が見えるんですもの……」
屋上女さんは少し切なそうに言った。
「生きてる人が故人を思いすぎて成仏出来ないってのはきいた事あるわ。
姿形まであたし達の影響してた何て……」
あたしは何だか悲しくなった……。
あたしが小さい頃、イタコのばあちゃんが言ってた。
『幽霊は怖いものではない。
幽霊にも心がある。
気持ちがある。
だから先入観で見ないできちんと向き合いなさい』って。
小さい頃はその意味が全くわからなかった。
だけど今ならわかるような気がするよ、ばあちゃん。
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