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「落ち込まないで!
私はすごく嬉しいんだから!」
悲しげな顔のあたしを覗き込み、屋上女さんは言う。
「嬉しい?」
あたしには理解できなかった。
みんなに怖がられてる屋上女さん。
あたしももやもやがあったからここにきて屋上女さんを呼び出しただけの話。
なのに『嬉しい』ってどういう事なのかしら?
「私はいわゆるこの学校の地縛霊。
ここからは動けないけどこの学校の事なら何でもわかるわ!」
地縛霊?!
今まで屋上女さんがいるの全く気づかなかったわ。
それだけ屋上女さんはあたし達に害のない、優しい幽霊さんだったのか。
それなのにあたし達は屋上女さんを話題にして、『怖い』というイメージにして……。
ホント、あたし達の勝手な気持ちが屋上女さんを傷つけていたんだよね。
何だか悲しいな、こんなの。
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