屋上女

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「山々って……。 全然平地じゃん」 このガッコの周りは平地……というより商店街が近くにあり賑わっている。 『山があった』なんてとんと思えない。 「今はね。 私が死んだ15年前は山々だったの」 15年前……か。 ちょうど、あたしが産まれた年か。 屋上女さんが『死』にあたしが『誕生』する。 一瞬、『生』と『死』を垣間見た気がした。 「そうなんだ。 でも山々なくなったんならここにいる理由ないんじゃないの?」 あたしがそういうと彼女は悲しそうな顔がした。 「……私体弱くて小さい頃から入退院をくり返していたの。 そんな私をみんな元気付ける為にこの屋上で一緒にお弁当食べてくれた。 嬉しかった……。 もっとみんなと一緒にいろいろやりたかった……。 私が病気で死んじゃったから……」 ポロポロ…… 彼女は泣き出した。 次から次へと涙があふれてくる。 ばあちゃん、幽霊さんにも感情ちゃんとあるんだね。 あたし達と一緒。 何ら変わらないのよ。 「……だからあなたは大好きだったこの学校を見守ってるのよね?」 彼女は顔上げた。 友達と過ごした大切な場所。 思い出の場所。 だからこそ、余計に思いが強まったのかな。 「私が……見守る……?」 屋上女さんは涙を拭きながらあたしの言葉を繰り返した。
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