僕の隣の天真爛漫

4/7
前へ
/17ページ
次へ
 僕たちももう一七歳。あと一年で受験生だ。いい加減現実と向き合って欲しいものである。 「あっ、もう電車来てる! 走るよ、はやく!」  でも、未だに子どもの頃夢に見たファンタジーを信じ続ける姿が、なんだか眩しくも感じている。  僕も、夢を見ていたかったから。 『えー、駆け込み乗車は--』 「はぁ、はぁ」  ギリギリ間に合った。宇部山はここから急行に乗って、普通で十三、急行で四つ目の駅で降りた先にあるので、これを逃したら危なかった。その代償に、二人して息を切らしてしまったが、まぁ気にしない。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加