若い僕らの天に唾

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 世間はやっぱりクリスマス。子どもが夢を見て、恋人が甘く囁きあう日。駅前を行き交う人々は十人十色、楽しそうな人、寂しそうな人。でも僕より暗い目をしている人はいないだろう。  クリスマスに騒がせて申し訳ないが、警察に行くべきだろう。でもその前に、一度戻らなくては。無責任に飛び出して来たことを悔やむ。せめて、あぁ、どうして 「見つけた!」  誰かに肩を掴まれる。考え事をしていて、気づかなかった。振り返ると、僕が刺した友達だった。  その顔を見た途端、悩んでいたすべてが吹き飛んだ。だって僕は、何よりも、ただひたすら、 「「ゴメン!!」」  謝らなかったことを悔やんでいたから。
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