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ーー金賀邸ーー
「ん……誰かな……」
亜留は突如鳴り響く携帯電話の呼出し音で目を覚ました。
ジー……。
ジー……。
ノイズ音が聞こえる。
「今から直ちに廃園に来なければ死ぬ」
暫くすると電話口から低くかすれた声が聞こえてきた。
「はぁ?」
意味がわからず亜留は携帯電話を切った。
パリンパリン!
亜留が携帯電話を切った瞬間窓ガラスがいっぺんに割れた。
「……強化ガラスが割れた?!
こりゃ行かないとまずいな」
飛び散ったガラスの破片を見て、亜留は顔色を変え家を飛び出した。
***
廃園に辿り着いた亜留は急いできたせいか肩で息をしている。
「金賀君」
亜留の背後から電子の声がする。
「家永さん?!
さっきの電話は……」
まさかの電子の登場に亜留は驚きを隠せない。
「あたし」
平然と電子は答える。
「何であんな事を?」
息を整え、亜留は尋ねた。
「自分の心にききなさい」
表情を変えずに電子は答える。
「あ?
からかってるのか?」
意味がわからずさすがに亜留もムッとしている。
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