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「……わからないなら教えてあげる」
電子の体が金色に輝き、九つの尾を持った白く美しい狐へと変化した。
「うわぁ!?」
電子の変わった姿を見て亜留は腰を抜かしぺたりと座り込んだ。
「あたしは齢500歳九尾。
妖怪よ。
山の神の命令を受けて捨てられた家電達が悪霊化するのを防ぐ為にここで先生をやってる」
金色の瞳で亜留を見ながら電子は言う。
「これは……。
夢か?」
狐につままれたような顔で亜留は目を見開いている。
「夢じゃないよ!
アンタにこの子達の気持ち……わかる?」
電子は自分の後ろを指差した。
「何で捨てるの?」
「まだあたし達使えるのよ」
「苦しいよ……」
「寂しいよ……」
家電達が亜留を取り囲む。
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