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「お、ようやく笑ったか」
「せっかく可愛らしい顔をしてるんですから、緊張で強張っていたら、もったいないですよ」
「そ、そそそんな、可愛いなんて、きょ、恐縮です!!」
はわわ、皆守先輩のような綺麗な方に、そのような事を言って頂けるとは、頬が赤くなってしまいます。
「ひとまず、少しはリラックス出来たみたいだし、続き話せるか?」
要先輩、気を遣って下さったのですね。
皆守先輩も、要先輩も、本当にお優しい人です。
「お心遣いありがとうございます。言葉足らずやもですが、よろしくお願いいたしますです」
私はペコリと頭を下げて、お2人に感謝の意を示します。
「えと、……それで、庵ちゃん達との関係が悪くなったとかは、全然ないんです。3人とも、昔と変わらず、仲良くしてくれました」
そう、昔と変わらない。
庵ちゃんも、秋も、尭も、小さい頃と変わりません。
変わってしまったのは……。
「でも、私の中のトゲは、引っ掛かったままでした。トゲは、庵ちゃん達の部活動が忙しくなっていく度に、心の中でズキンズキン痛くなって……」
どうして、そんな痛みがあるのか、最初は解りませんでした。
でも、ある日気付いたんです。
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