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私立・聖桜学園。
舞台は一年生のクラス、何も変哲もない普通のクラスです。
「おーし、じゃあさっき配ったプリントは行き渡ったか~?」
クラス担任の先生が、ぐるりと周りを見回しています。
「プリントは2、3日猶予やるから、必ず提出しろよ」
そう言った後、先生は教室から出て行ってしまいました。
「今日子、今日子。どの部活に入るか決めた?」
「えっ、い、いいえ、まだ決めてないです。い、庵ちゃんは、また剣道部……ですよね?」
「うーん、高等部に剣道部無いんだよねー。剣術部はあるからさ、そこに入ろうかなって」
プリントを見ながら、庵ちゃんは困ったように頭を掻いています。
「それより、秋と堯はどうすんの?もう決めた?」
「俺と堯は、まだ決めかねてる段階かな」
「そうだね。剣道部がないなら僕たちも剣術部かなと……」
庵ちゃんだけでなく、秋と尭も、入部希望の部活が、ほぼ決まってるようです……。
あ、大変申し遅れました。
私、黒姫今日子(クロヒメ キョウコ)です。
運動神経はそこそこですが、スポーツや武道、武術には縁のない、普通の女子高生です。
そして、隣にいる女の子は、紫 庵(ムラサキ イオリ)ちゃん。
ショートカットがお似合いで、いつも明るくて元気です。
それから、棗 秋一(ナツメ シュウイチ)くんと黛 尭之丞(マユズミ タカノジョウ)くん。
しっかり者で行動力のある秋(アキ)、あ、秋一くんのあだ名です。
と、いつも落ち着いて頼りになる尭、そして庵ちゃん、私は、幼なじみで、一番の大親友。
私以外の3人は、ずっと剣道を続けてきた努力家の人たちです。
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