ゼロからの

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庵ちゃんも、秋も尭も、自分の目標にいつでも真っ直ぐで、そんな3人の姿は、とても眩しくで、でも、私だけはいつも……。 「今日子、どうしたー?」 「ふへっ!?い、庵ちゃん!?ど、どうもしないですよ?大丈夫ですよ?」 突然、庵ちゃんの顔が目の前にあったので、ビックリして、思わず椅子から落ちそうになってしまいました。 「落ち着きなって、今日子。今日子は、すぐに慌て過ぎ」 「尭の言う通り。お前、慌て過ぎて、挙動不審なんだからよ」 うう、尭と秋のご指摘通り、私はちょっと慌て易いと申しますか、落ち着きがないと申しますか……。 そんな私が、運動部にも入った事もない私が、こんな事を口にしたら、今更と周りは思うかもしれません。 『私が、もしも剣術部に入ったら……』 剣術どころか、武道も武術すら、全く素人の私。 そんな素人だからこそ、ゼロからのスタートは、無謀だと一蹴されてしまうかもしれません。 いえ、もちろん、庵ちゃん達は歓迎して下さると思います。 だからこその不安もあります。 でも、これ以上、3人と別々なのは、もう嫌です。 これからは、みんなに負けないくらい強くなって、みんなの後を追うだけじゃなくて、隣を……。 「き、決めました!!」 「決めたって、今日子。どうしたの」 席を立ちながら、はっきり言った私の突然の発言に、庵ちゃんは驚いたようです。 驚かせて、ごめんなさい、庵ちゃん。 でも、もう決めたんです。 「私、剣術部に入ります!」 「き、今日子、剣術部に入るって、本気!?」 「かなり大真面目です。秋や堯も反対してもダメです」 私は、顔の前で大きくバツの字を作ると、驚いている庵ちゃん、尭、秋の顔を見やりました。
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