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三年生フロアです。
己嶋先輩のクラスは……。
「尭、先輩のクラス分かる?」
「確か……あ、ほら今、赤髪の先輩が入ってった。じゃあ、F組だね」
F組、私たちと一緒です。
クラス内を少し覗いてみました。
これが、三年生のクラス。
あまり恐い感じはしませんね。
ひとまず、教室に入ろうとしていた生徒さんに、声をかけてみましょうか。
「す、すみません」
「どうしました?」
「こ、己嶋先輩はいらっしゃいますか」
ちょっとオドオドしすぎたでしょうか?
私は、庵ちゃんたちの方も伺ってみました。
庵ちゃんたちも、ちょっと緊張してるみたいです。
「ちょっと待ってね」
美人な男性の先輩が、己嶋先輩を呼びに行って下さいました。
でも、どうしてスカートを履いてるんでしょうか?
†
「要」
「どうした、皆守」
「お客さんです。多分、一年生だと思いますよ」
入り口をチラ見した皆守の言う通り、一年らしき4人組がいた。
「お、入り口に可愛い女の子、発見!!」
「タカ、どうぞ連れて来て下さい」
皆守が、タカを指名したので、オレは手早くそれを遮った。
「オレが、直接出向く……ってコラ、タカっ!!」
「行ってしまいましたねぇ」
「誰のせいだっ。たく、あのバカタカが……」
†
私の前に、背の高い美人な女性の先輩がいます。
「可愛いね、一年生?」
「は、はい。1-F、黒姫 今日子です」
「お、同じく、紫 庵です」
な、なにやら、女の子だけ返事してくれという、オーラが半端ないです。
優しいんですけど、恐いです。
「要に用事なら、入っていいよ」
「あ、ありがとうございます。失礼します!!」
一気に四人とも入ってきましたが、大丈夫でしょうか。
き、緊張します。
「こ、己嶋先輩ですか?」
「そうだよ。どうした、こんなに面子揃えて」
「は、はい。剣術部に入部したいので、入部届け持ってきました」
い、言えました。
心臓がドキバキ破裂しそうです。
入部届の中身を拝見されています。
「わかった。確かに四人分預かった。とりあえず名前聞いていいか?自己紹介ではないんだが……」
「は、はい。私から。1-F 黒姫 今日子です」
「紫 庵です」
「黛 尭之丞です、よろしくお願いいたします」
「棗 秋一です」
先輩は何か考え込んでいます。
何ででしょうか。
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