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「雄二!」
竜一が振り返ると、そこに居たのは雄二だった。
「やっぱりお前の仕業か……」
竜一に向かって歩いてくる雄二に、呆れたような顔を見せた。
「なんだよ仕業って……」
「これお前だろ?」
ハガキを雄二の目の前に出す。
一瞬戸惑った表情を見せた後、雄二はポケットから一枚のハガキを取り出した。
「お前も持ってんのか。……
俺にも届いたんだ、これ」
見ると、名前の違い以外は全く同じ内容のハガキだった。
「お前じゃない?……
じゃあ、誰がこんな物を……」
その時、学校の校舎の窓に一瞬、人影の様な物が竜一の目に入った。
「ん?……今の……」
「どした?」
校舎を見つめながら首を捻っている竜一に、雄二が声をかける。
「いや……何でもない……」
(今のは。……いや、あいつがこんな所に来る訳ねぇよな……)
「おい、コラッ!」
その時、いきなり後ろから誰かの怒鳴り声が聞こえた。
振り向くと、全速力でこっちに走ってくる人物がいた。
竜一達の前まで来ると、いきなり雄二の両肩を掴んだ。……
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