―招待状―

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「さて……今日は久しぶりに早く帰ってこれたし、たまには手料理でもご馳走してやるか……」 通子はそう言って、会社帰りにスーパーで買ってきた食材をキッチンに並べた。 半年前から彼氏との同棲を始めた通子だったが、料理の方はからっきしだった。 普段はほとんど外食がメインになっている食生活。…… これではいけないと、勢いに乗じて買い出しに行ったものの、何を作っていいのか分からず、目に入る物を適当に買ってきた。 「んで。…… こんなに色々買ってきて、一体何を作る気なんだ、私は……」 合計6000円分の食材を前に、通子はため息をついた。 「何作ったらいいか、速水君にでも聞いてみるか……」 携帯を手に取り、メモリから友達の名前を画面に出した所で手を止める。 「駄目だ、馬鹿にされるかもしれないし……」 画面を消してそう呟く。……
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