170人が本棚に入れています
本棚に追加
土方視点…
(まずい…)
目の前には、にっこりと微笑んでいる殺気だだもれの総司…
そして、今にも沙耶を押し倒そうとしている…かのように見える俺…
恐らく、俺を少しでも休ませようと考えて
今回のことを企んだ総司には、
今の状況は…
非常に、まずい!!
「…土方…さん…?
これは…どういうことですか?」
「お、お前は誤解してる!」
「へぇ…誤解…ですか…
…というか、いい加減その手を離せ」
俺は、ずっと掴んでいた沙耶の肩から手を離し、
総司と向き合う
「土方さん…心底失望しました。
土方さんだったら、
何で僕がこんな強引なことをしたのか、分かってくれると思ってたのに…
たった半日ですよ!?
たった半日、沙耶と二人きりにしただけで…
はぁ…まさか、土方さんが
ここまで最低な奴だったなんて…」
「ま、待て待て待て!!
だから、誤解だっての!!」
「近付かないで下さい!
沙耶!!早くこっちおいで!!
土方さんの近くは危ないから!」
「は、はい!」
沙耶は、突然のことに暫く固まっていたが、
総司の一言で、俺から逃げるように総司の後ろに隠れた
(…つか、沙耶はこれが総司の誤解だって、分かってる筈だよな?)
「今回のことは、近藤さんに
報告させて頂きます。
…恐らく、誰かさんがお作りになった、局中法度なるものにより、
せっぷ」
「待て待て待て待てぇ!!!
さっきから誤解だっつってんだろぉ!?」
俺は、"山南さん推奨の本"とやらを
総司に投げて渡した
「!?…何です?」
「…沙耶が、読んで聞かせてくれってな。
…頼まれたんだが…
まぁ、読めば分からぁ」
総司は、いぶかしながらも
本をぺらぺらと捲り…
固まった
「な、なななっ何です!?これ!!
さ、沙耶!!こ、こここれは、
沙耶にはまだまだまだまだ、
早い!!」
総司は、隣にいた沙耶の肩をがしっと掴み、捲し立てた
「ぷっ…
総司ぃ…これで、分かったろ?」
「くっ……はい。
…まさか、山南さんが…
…これから、山南さんとの対応を考えていかなきゃ…」
総司は、ぶつぶつ言いながら
部屋を出て行った…
最初のコメントを投稿しよう!