第一章

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私は鏡の前で入念に身なりのチェックをしていた。 「よし、抜かり無し!」 パンと自分の顔を叩き気合いを入れる。 今日は社会人としての第一歩を踏み出す記念すべき入社式の日だ。 田宮綾(たみやりょう)二十歳。 今日から美容師として歩み始めるのだ。 私が就職したヘアメイクDearは全国展開している大手美容室だ。 美容師としてお洒落にいった方が良いのか、それとも会社ではあるためスーツでいった方が良いのかかなり悩んだ。 しかし、『入社式』と題されている以上、やはりスーツにすべきだろうと思い、友人に借りてきていた。 その借りてきたスーツを身にまとい、服に合わせて落ち着いたメイク、ヘアスタイルはアップにするが、派手にならないようにナチュラルに。
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