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小さい頃迷子になってこの洞窟にやってきた
洞窟の中にはまさかあると思えない花畑や湖
真ん中にある大きな木の下ではいつも精霊たちが楽しそうにティータイムをしている
「何をニヤけてるの?!」
サラはフードポケットから出てきて飛び回ってる
「いや、昔のことを思い出していたんだ…」
クスッ
サラが小さく笑う
「覚えてるよ、あたし!!
ライルってば、お母さんお母さんしか言わなくて、自分が迷子になったはずなのにお母さんが迷子になったって泣いていたんだよね!!」
僕は恥ずかしさで顔が熱くなった
「ちなみにあたしのおかげでこの空間が存在しているわけ!
感謝してよねっ!」
サラはまた得意気な顔をして腕を組みながら話す
ここはサラの生まれた場所でもある
そのためマナが異常に濃くて、精霊たちが集まってできた場所だと教えてくれたことがあった
…なんでサラが生まれたからってマナが濃くなるのか聞いたことはあったが、当時まだ知るには早いと言われたままだ
今なら教えてくれるのかな…?
「サラには感謝してるよ」
僕はサラの頭を指で叩きながら精霊たちのもとへと歩いていった
「今日はいつもより遅かったわね、ライルもお茶飲む?」
「ありがとう、水の精霊さん」
「こっちに座って!」
火の精霊が隣に座るように勧めてくれた
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