現実

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サラはニコニコしながら僕を見ている 「その時がきたらよろしくお願いします」 僕は再び頭を下げた 「あたしからもお願いします!」 サラも精霊たちに頭を下げた …! 「サ、サラ様っ!頭を上げて下さい!!」 サラの行動に精霊たちは慌てふためいている 「うちらは好んでライルのそばにいたいだけなんだっ!」 「上げて下さい…」 僕はこういう光景を今まで何度か見たことがある サラと出会い精霊たち知り合った頃、精霊たちはサラと話すのをためらい僕にまで敬語を話すほどだった 「様はなしって言ってるじゃん! みんなライルを想う気持ちは一緒でしょ?ねっ?!」 サラは精霊たちに微笑んで言った 「…私たちはできる限りの力でライルを守ります」 「うちだって!」 「わたしも…」 「…僕も頑張るからっ!」 僕も思わず言ってしまった みんなが僕を見る 「…だって、僕自身みんなに力を借りるだけで何もできないなんて嫌だ! ……まだ何を頑張ったらいいのかハッキリわからないけど」 しゃべりながら声が小さくなっていく キャハハ! クスクスッ 「ライル好きっ!」 サラは小さい身体で僕の腕にしがみついてきた 「サラってば!!」 精霊たちは暖かい目で僕たちを見ている 今は学校に通って精霊使いになるため頑張ることしかできないけど、いつか僕にできることでサラと精霊たちに何かしてあげられるならその時は力になろうと僕は決めた
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