左手人差し指

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 始めて2人きりで会った、その日。  私はこうなることを予感して…それを望んでいた…  貴方は私に口づけをする。 「嗚呼…君を抱きたくて仕様がなかったんだ。でも…我慢するべきなんだよな。ゴメン…キス…我慢できなくて。」  そう言い残して、貴方は去ってゆく。  恐らく…家族が待つ家に帰るのだろう。  そして貴方は貴方の子供や妻にに何事もなかったように笑顔を見せるのだろう。  私は次の休みに2人で会いたいと彼に誘われたその日に包丁で削ぎ落としてしまって皮膚が欠落してしまっている左手人差し指を絆創膏の上からさすりながら、貴方の背中を見ていた。
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