1章

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その時 ドサッと人が倒れる音が彼らの後方から聞こえた 振りむくとそこにいたのは一人の青年 ただし昼間だというのにまるでそこだけ夜のような暗さを持ち 目は前髪にかかってよく見えないが猟奇的な目であることは直観で感じられる 絶対的な恐怖 それをスキルアウトたちが感じた直後 圧倒的な戦局が展開された 久住命は思考を止めそれを傍観するしかなかった いや、彼女が気づいた時にはもうすでに終わっていた 第8学区裏通り そこに広がる光景は 気絶した男たちと一人たたずむ青年 彼らは一滴も血を流してはいなかった なのに 青年はわずかな時間で全てを終わらせた 彼女の思考が戻ったのは青年によって縛られた両手が自由になった時だった
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