1章

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もちろんこんなシーンも彼女は小説の中で見たことがある だからこそ 彼女には青年の姿が運命の人みたいに思えたかもしれない 絶体絶命の窮地を救ってくれた恩人 その人をもう少し知っていたくて 「あ、あの、ありがとうございます。助けてもらって」 と、ありがちな流れで攻めてみようとした が、 「・・・・・・・・・」 無反応 さらに青年は一言も言わず歩きだす しかし、 それでも諦めない 「あの!お礼がしたいんですけど」 追いつき横から言葉をかける だが、 「・・・・・・・・・」 再度無反応 少しいらっとしたがよくあるパターンだ そう思った彼女は青年の前に回り込む そして 「名前、教えてもらえません?」
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