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「はあ、はあ」
「バカ兄、息上がってるよ」
「うるさい。誰のせいだと思ってるんだ」
「え?誰だろうね?あっはっはっはっ」
アスファルトを蹴りながら、隣を走る少女、閖は笑う。
小さな手には銃口からうっすらと煙を出しているイズマッシュ・サイガ12が握られている。グリップが大きすぎて、ちゃんと握れていない。
今、俺らは雨の降る田んぼ道を全力で走っている。
理由は簡単。敵に追われているのだ。
ちょっと前の日本では、こんな展開は非日常以外の何事でもなかったんだろうけれど、今の日本ではよくあることである。
なぜなら、日本は今戦争をしていから
でも、他国と戦っているわけではなくて
国内の派閥争いといったほうが、まだ的確であろうくだらない戦争。
すなわち、そこいらに死体が転がっていても気にしないような状況なのだ
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