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追われることになった俺、荒井孝とその妹、閖は、なす術もなく逃げることしかできなかった。
ただひたすらに走り、ケータイで救援を呼び続けること10分。
「頼むッ・・・出てくれ!」
しかし、全く電話に出てくれない。無情にも鳴り続けるケータイの呼び出し音。
「出てくれないね~」
「お前はなんでそんなに呑気でいられるんだ…」
「え~・・・なんでだろ」
全力で走っているはずなのに、全く息が上がっていない閖。
俺はこんなに息が上がっているというのに・・・
「ていうか、お前応戦しろよ!今銃持ってるのお前だけだろうが!」
そう言っていきなり止まってやる。
「え~めんどくさい」
それにつられて閖も止まる。
「いいからやれ!この状況でめんどくさいとか言うな!」
「あぅ~・・あいあいさー」
だるそうな返事をしながら、愛銃サイガを構える。
気乗りしないようだが、それでも相手に標準を合わせていく。
ダァン!
轟音が轟く。間髪開けずニ弾目を撃つ閖。反動で仰け反っているが、お構いなしに撃ち続ける。
目の前で次々と敵が倒れて行く。断末魔のような悲鳴が聞こえ、とてつもない罪悪感に襲われる。
だが…やられるよりは…
「…やられるよりは…やったほうがマシだ」
そう小さく一言呟くことで、自分の中の罪悪感を心の奥に押し込めた。
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