2撃

2/7
前へ
/12ページ
次へ
追われることになった俺、荒井孝とその妹、閖は、なす術もなく逃げることしかできなかった。 ただひたすらに走り、ケータイで救援を呼び続けること10分。 「頼むッ・・・出てくれ!」 しかし、全く電話に出てくれない。無情にも鳴り続けるケータイの呼び出し音。 「出てくれないね~」 「お前はなんでそんなに呑気でいられるんだ…」 「え~・・・なんでだろ」 全力で走っているはずなのに、全く息が上がっていない閖。 俺はこんなに息が上がっているというのに・・・ 「ていうか、お前応戦しろよ!今銃持ってるのお前だけだろうが!」 そう言っていきなり止まってやる。 「え~めんどくさい」 それにつられて閖も止まる。 「いいからやれ!この状況でめんどくさいとか言うな!」 「あぅ~・・あいあいさー」 だるそうな返事をしながら、愛銃サイガを構える。 気乗りしないようだが、それでも相手に標準を合わせていく。 ダァン! 轟音が轟く。間髪開けずニ弾目を撃つ閖。反動で仰け反っているが、お構いなしに撃ち続ける。 目の前で次々と敵が倒れて行く。断末魔のような悲鳴が聞こえ、とてつもない罪悪感に襲われる。 だが…やられるよりは… 「…やられるよりは…やったほうがマシだ」 そう小さく一言呟くことで、自分の中の罪悪感を心の奥に押し込めた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加