2撃

4/7
前へ
/12ページ
次へ
小学生ではないのか、と思うほど小さな背の16歳の妹は、もう理性をなくしていた。 おそらく中学生だろう相手の少女に向かって全力でかけていく。攻撃することしか頭にないのか、銃は持っていない。 「こ、こないで!お願いだからこないでぇ!」 パニック状態の少女は、サイトも見ずに腰の位置でSMGを乱射しまくる。 が、そんな射撃が当たるはずもなく、SMGは、カチンっ、と小さく音を立て動かなくなった。弾切れだろうなぁ、なんて呑気に考える。もう痛みを感じないほどに神経が麻痺してきていた。 「いやっ、いやっ!いやぁあ!」 少女が悲鳴をあげ、何度もトリガーを引く。 だが、弾は出るはずもなく、逃げる時間を無くしただけだった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加