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閖が怒りの形相で少女の元へ駆ける。右手に握られているのは…ジャックナイフ。
あれで腹をかっさばくのだろうか。返り血を浴びながら、腸をひきずり出し、苦しめて、絶叫を聞きながら殺すのだろうか。
そう思うと、敵だとは分かっていても放ってはおけなかった。走り、閖を止めよう。そう思い立ち上がる。
…上がったつもりだった。
足を真っ直ぐ地面に付けるつもりだった。
でも足は命令を聞かない。膝から足首までが地面についていて、まるではつくばっているような格好。
そして、全身から力が抜けるのを感じながら、俺は地面に突っ伏した。
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