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井口の家は本当に近くてあっという間に着いた。
「(なんだか心の準備がぁ.....)」
「おいでおいでー。」
そう言って井口は私を家に入れてくれた。
「し、失礼します!」
家はしんとしている。
「ぁ、今日家誰もいないから気軽にしていいよ!」
「ぁ、ごめん、ありがとう。」
そして井口は階段を上り上にあがっていく。
私はそれにただただついていった。
「ここが俺の部屋~。」
こうして私は井口の部屋へ入った。
井口の部屋はぱっとみると特にこれといったものはなく、壁は純白の青いカーテンがかかっており、さっぱりとしていた。
そして部屋はなかなか広くて、薄い小型のテレビ、勉強机、ベット、椅子......いたって普通であった。
「まぁまぁ、座ってよ~。」
私は机の近くにある椅子に腰掛けた。
そして井口はテレビをつけるとベットに腰掛けた。
そしてこの静かな部屋で二人ぼんやりテレビを見始めた。
しばらくすると、井口は立ち上がり、なにやら部屋をうろつき始め、私の座る椅子の後ろに立った。
私は意味が分からずただじっと座り続けていた。
すると...............井口は突然椅子の後ろから私を抱きしめてきた。
「(!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」
私は本当に状況が読み取れず、思わず、「えっ」と発した。
しかし、井口の返答がない。
しばらく沈黙が続く。
すると井口は私を抱きしめたまま椅子から床に座らせて、また強くぎゅっと抱きしめてきた。
そしてようやく井口が口を開いた。
「霧島......」
私はうまく声が出ず返事できなかった。
「霧島................お前が好きだ、付き合ってくれ。」
この言葉に私は思わず涙が流れた。
これは、嬉し涙だよ、本当に。
私は詰まらせた喉を開き、言った。
「うん、」
「ありがとう。」
そう言って井口はまた私を強く抱きしめた。
私、霧島あんゆ、人生で初めて告白されました。
初恋叶いました!神様ありがとう!
私の胸はいろんな気持ちでいっぱいだった。
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