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「ふん🎵 ふふん、ふふん🎵」
佳奈の身長の七割はあろうという熊のぬいぐるみを抱えながら佳奈は鼻唄を歌っている。
今はマルイチの屋上で京谷と約束していたハンバーガーとジュースをおごってもらっていた。
「まさか、マジで奢らされるとは…」
「和人と食べ物の約束しちゃいけないの一番知ってるの京谷じゃん。」
佳奈が熊を抱きながらいう。
「しょうがないだろ、いつもの癖なんだ。」
「今度何賭ける?」
「もう今日は勘弁してくれ懐が随分と寒くなっちまったから…」
京谷のガチなへこみ具合に少し同情してしまう。
改めて思い返すと後何回こんな風にこいつらと遊べるのだろうと思ってしまう。
この夏休みが終われば進路が本格的になってくる
こんな風に集まることもなくなってしまうだろう。
「…人、和人!」
佳奈の声で俺は我に帰る。
「どうしたの? 考え事なんて和人らしくないね。」
「何を考えてたんだよ、和人。」
こいつらを見てるとそんなことを考えている自分がアホらしく思えてくる。
「なんでもねぇよ。」
「そっか、で明日はどこいこっか?」
こんな感じで夏休みの初日は騒がしくも愛しいく終わりを告げた。
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