~ 思い出  ~

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~8月4日~ 今日は土曜日、佳奈率いる我が校バスケの試合だ。 俺と京谷は佳奈の応援のため試合会場である東雲体育館へ足を運んでいた。 「なぁ、今日何処とやるんだよ、佳奈ちゃんたち。」 「氷形高校とだとよ。」 氷形高校とは毎年うちの学校とトップを争っている学校だ。いわゆるライバルというやつだ。 「あそこか、勝てる見込みはありますか?解説の十輪さん。」 「知らん、俺に聞くな。」 「何を言いなさるか、もと全中トップ高のエースさん。」 「そんな大層なものじゃねぇよ。」 ここで俺がバスケから離れた理由を説明しておこう。 俺が最後にバスケをしたのは3年前の全国大会決勝。 序盤からのリードを保ち優勝も間近となった時ある出来事が起こった。いや、事故と言った方が懸命か。 終盤、ラストスパートで俺は相手選手を怒涛の四人抜きしてシュート放とうしたその時だった。 最後一人がブロックしてきた。 ただのブロックではなかった、もはや体当たりだった。 俺はそのまま無様に吹き飛びコートに足から叩きつけられた。 その後、試合は一時中断、応援に来ていた佳奈たちと病院へ行った。 病院へ行き検査の結果、医師から告げられた言葉は「もう飛ぶことができない」という短く残酷な言葉だった。
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