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中学三年生の頃、俺は少し荒れていた。
部活の練習はサボり、試合だけでて勝つ。
そんな俺は案の定、周りからは明らかに浮いた存在となっていた。
男バス、女バス共に全国大会への切符を手にいれて、それに向けての練習により部活の雰囲気がピリピリしているというのに俺はいつも通りサボっていた。
校舎の屋上、そこが俺が一番学校で落ち着ける場所だった。
放課後もすぐには家には帰らなかった。
部活に出てないと知られたら親父に何を言われるかわからないと思っていたから。
ベンチに横になり空を見上げる、空はもう茜色に染まっていた。
空を見上げていると、俺の顔を覗きこむ人物がいた。
「また、ここにいたの?
部活、ちゃんとでなきゃだめだよ。」
もちろん、それは佳奈だった。
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