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「で、見たいものってなんだ?」
「それはねぇ…これ!!」
佳奈が指を指す先にはネックレスが並んでいた。
どうやら誕生日石をネックレスにしたものらしい。
「へぇ、俺の石はムーンライトか。」
「私はサファイアだ、綺麗だな。」
佳奈はネックレスに釘付けだ。
「買ってやろうか?」
「え!? ほんとに!? いいの?」
俺は頷く。
「母さん居ないときとか飯作りに来てくれてるしな、そのお礼ってことで。」
佳奈の目がキラキラと光る。
俺はサファイアのネックレスをレジまで持っていき、プレゼント用に包装してもらった。
「ほらよ。」
佳奈は申し訳なさそうにそれを受けとる。
「ほんとによかったの?」
「くどいぞ、俺がやりたいからやるんだ。 それじゃだめか?」
「うん、それがうれしい。ありがと。」
佳奈がまたニコッと笑う。
その笑顔が見れるだけで十分だった。
佳奈の笑顔を見ると癒される。こんな風感じるようになったのはいつからだろうか…。
「さ、そろそろ行くぞ。
京谷を探してやらないとな。」
「うん!」
俺の隣で歩く佳奈との距離が少し近くなったような気がした。
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