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昔々あるところに陰陽師の男の人と女の妖狐がいました。
二人の出会いは最悪でしたがいつしか二人は互いに対する愛情が生まれました。
人間と妖、元は結ばれない運命なのでその思いを二人は隠しました。
ある日男の人が雌狐のもとに訪れました。
「またお主か……妾に何用じゃ」
「いえ。何もありませんよ。ただ遊びに来ただけです」
「お主は仕事とやらがあるのではないか?」
「ああ。仕事ですか?サボりました(ニコニコ)」
「またか……こりない奴じゃの~」
「フフッ(ニコニコ)」
それから二人はたわいもない会話をして別れました。
次の日男の人は仕事を終わらせ、雌狐のところへ行きました。
「こんにちわ、雌狐さん」
ニコニコと笑いながら狐がいるお堂の中を覗き込みました。
ですが狐は寝ており目を覚ます気配もありませんでした。
男の人は狐の寝顔を覗き込みます。
「凄く……綺麗です////」
そう呟くとそっと唇に接吻しました。
少し触れただけで男の人は離れました。
狐は少し身じろぎをしました。
男の人は“起きたのでしょうか”と少しばかり焦りました。
でも起きる気配はありません。
男の人はいつの間にか寝てしまいました。
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