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そして時がたち日が暮れてきた頃、狐は目を覚ましました。
隣から聞こえてくる寝息に“また来ていたのか……”と呆れながらもその顔は優しさに満ち溢れていました。
狐は起こしてやろうと思い男の人の体を揺すりました。
ですが起きません。余程爆睡しているのでしょう。
もう一度狐は男の人の体を揺すりました。
すると目蓋が少しずつ開いていきました。
「あ、雌狐さん。おはようございます。」
「ああ、おはよう。そろそろ帰らなくてよいのか?ひがくれてきたぞ。」
「そうでした!!では雌狐さん。また明日!」
そう言うと男の人は帰っていきました。
狐は“もう来んでよい”と皮肉を言いながらも頬がゆるんでいました。
帰り道男の人は悩んでいました。
狐に思いを伝えるか、伝えないか悩みました。
夜遅くまで悩みました。
そして答えがでました。“自分の思いをちゃんと伝えよう。雌狐さんに告白しよう”と
そう、男の人は狐に思いを伝えることにしたのです。
答えをだした男の人は眠りにつきました。
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