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鐵太郎は宿泊先のホテルに戻ると直ぐさま地べたに禅を組み瞑想を始めた。
「AV女優、潮吹リリコの霊よ」
暗闇の中にうっすらと電マが浮かび上がり、続けて髪の長い裸の女性の姿が現れた。鐵太郎はその顔に見覚えがあった。潮吹リリコを呼び寄せた筈だったが、鐵太郎の記憶では彼女の名は橘みかの筈だった。
「何故、悪霊としてこの世をさ迷うか?」
「清純派女優、橘みかとして私の活躍出来た時期は一年も無く、清純派から凌辱系の現場に追いやられた挙げ句、撮影中の事故で死んでしまった。
私は私を捨てたファンと、電マに快楽を求める者が憎たらしくてたまらないのだ。だから私は電マへと姿を変え男の前に現れては相手の女を殺し続けているのだ」
淡々と語るリリコに向かい鐵太郎が左手を振り下ろす。
「消えよ」
鐵太郎の手から現れた炎の縄が、リリコを縛り付ける。リリコは苦悶の表情を浮かべながら激しく暴れ出した。
並の悪霊ならばこれだけで直ぐに消し去る事が出来る。しかし山伏の言った様にこの悪霊の力は異常だった。
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