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ふと線路に目をやると一瞬吸い込まれるような感覚に陥る
あぁ、いっそ飛び込んでしまおうか
なんて考えるだけ、そんなことトチ狂ってもできやしない
僕は大きく溜息をついた
待っていた電車が到着して、僕はそれに乗る
時間はそろそろ22時を過ぎようとしていた
車内には数人しかおらず、席もほとんど空いていた
僕はドア近くの席に座り、物思いに耽った
こんな自分でいいのか、無力な自分で本当にいいのか
窓の外の景色のように時間は流れ、過ぎ去っていくというのに
こんなにも空虚な自分でいいのかと問いかけていた
そうするうちに僕は眠ってしまい、
降りる予定だった駅を乗り過ごしてしまった
どれくらい寝てしまったのだろうか、いつも快速で飛ばしてしまうような
名前も知らない駅で僕は目を覚ました、時間は23時をとっくに過ぎていた
快速電車が止まる駅で降りてホームを移動する
終電は辛うじて残っていて僕はその電車を待った
おもむろに携帯電話を取り出してみると、メール着信があった
差出人はうちのお手伝いさんの礼奈さんからだった
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