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チンピラのアジトとはたかが知れている。そんな闇雲に隠れ家を見つけて何にでもなるわけじゃない。さっきの女子も気になるが、時は既に遅い。運命と思うしかない。
次のスクリーンボード出現時間が訪れた。
食糧確保方法は、スクリーンボードの出現場所の真下に個別に支給される。簡易便所も備えてあれば、建物らしき物体がいくつかあるので、身を潜めるには頼もしい隔離場所である。ご親切にも、建物らしき物体には、中に入れるからくりもあるからか、便利な空間ではある。
ボード設置の出現場所には、必ずしも十人に一台と決まっている。補給袋が真下に十袋も用意されるからである。
高さ一八○ミリ、横六○○ミリくらいのサイズで、十人がやっと見れるほど小さいモニター画面の端末。それがこのスクリーンボードなのだ。
計六台あるボードが十人一組の場所に設置しに現れる。モニターに文書がつづられ、コンピューター音声が文書を読み終わればボードが消去する。ファンタジー映画のような展開に期待する者も中には存在している。
「畜生っ!!ここの生活に慣れさせては、何をさせたいのだ。まだ誰もが賽子持ってないのに」
賽子所有者、つまり刺刃者が決まったらボードでそのキャラクターがモニター表示される。だから隠れたって無駄なのだ。モニター表示されない毎日に、閉じ込められた者たちは、精神が乱れてしまった。
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