第2章~出会い~

7/11
前へ
/122ページ
次へ
がむしゃらで、走った。病室まで。 頭の痛みなんかどうでもいい。 ただ・・・。 今は誰の顔も見たくない。 その人の笑顔を消してしまいそうだから。 ベッドに横になって、布団を頭までかぶった。 全部全部。 記憶を消したい。 過去に戻りたい。 今の人生なんて。 私に、必要ないような気がする。 ・・・・。 そのまま、深い眠りについてしまった。 夢の中。 《ハハハハハッ》 誰かの笑い声がする。 同時に、ふと映像が流れた。 あれは・・・・。 過去の私と、お母さんとお父さん。 懐かしいな。 あの、家。 あの笑顔。 ごめん。 早くこの夢から出さして。 見ていられないんだ。 過去の自分を。 切ない。悲しい。 ううん。 ・・・・寂しいんだ。きっと。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加