第2章~出会い~

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早く帰れよ。 一人にして。色々と考えたいのに。 「俺ね。ここの病室で昔入院してたんだよね。ここさ、色々考えるのにピッタリな場所なんだよね。」 下を向いた玲音が一瞬悲しい顔をしたような気がした。 「だからね?なんだか沙奈ちゃんの事、気になるんだ。」 何も言えない。 だって、関わったとしたらこの人に一生の公開をさせてしまいそうだから。 私の感情が玲音に傾く前に、消えなきゃ。 貴方を不幸にしてしまう前に。 「私に関わらない方がいいよ。」 「何で?」 「闇に包まれちゃうから。」 不思議だよね。 私には、どの角度を向いても周りには闇しかないの。 「じゃあ・・・。 俺がその闇を消してあげる。」 真剣な顔で言うから、期待しそうになった。
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