第3章~前の自分~

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結局、あれから玲音と会わないまま。 私は病院を退院した。 まだ記憶はあんまり思い出してないままだけど、 生活を慣らすために学校に行くことにした。 門の前に立っても、懐かしさが感じられない。 仕方なく校舎に入って、 事務室で職員室の場所を教えてもらった。 先生の目つきが、きょとんとしている。 担任も。教頭も。校長も。 担任と一緒に教室に行くと、クラスの人達の視線が痛かった。 皆の視線を無視して担任に教えてもらった、机の場所に座る。 「仲川さん、久しぶりー」 見た目からして苦手な女子が話しかけてきた。 「元気だったー?めちゃくちゃ心配したんだよっ」 ひざより大分上のスカートに。 茶髪で色白。いかにもお嬢様って感じだった。
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