第3章~前の自分~

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教室に入って来たのは、 記憶を無くしてから初めて学校に来たとき一番に話しかけてくれた人。 そして、仕返しをしてやると宣言してきた人。 その回りにいる人たちは、どーやら西村眞子の仲間。 男子も言いなりにするようなオーラを出している。 眞子が席に座ってすぐ、 私の方を見た。 こっちを見て笑う。 優しそうで目が笑っていない顔つきで。 まるで、私を永遠の闇に突き落とすように。 初めて。 殺意が人から直接に感じ取れたのは。 でも正直に言うと、 自分自身で心のなかでお腹を抱えて笑っていた。 だって・・・ 私はもう永遠の闇に落ちているから。 殺意を感じ取っても、 どうにもならない。 相手側の考えだから。 そっちの感情をコントロール出来ないから。 ・・・殺すなら殺せばいい むしろ、 早くしてほしい。 もしかしたら家族が淋しがっているかもしれないし。
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