どうしよう、恋愛というジャンルはもう詰みが見える。

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  ――… ―――…… 「ばかじゃないの」 「バカはオメーだろうが」 俺の家のリビングのソファーに偉そうに居座るブスに向かって片手で丸めた要らない広告を投げつける。 「うわっ!やめろよ。くそチビ」 「チビじゃねぇし!くらえ!俺の必殺技!!」 「あぁあぁあっっ!オマエ!その技はズルい!」 テーブルの上にはゲーム機とコーラの缶。 新しく出た格闘ゲームで絶賛戦闘中の俺ら。 だが、今の俺のとっておきのコンボ技で勝負が決まった。今夜も俺の勝ちだ!ふっ…ふはは…!ふはははは! 「…」 「なんだよ。こっち見んなブス。勝者への敗者からの妬みか?悔しいのか、そうかそうか!」 「ちび」 「ハッ!今は何を言われようが痛くも痒くもないね。なんたって俺はお前に勝ったんだからな!」 と、いう事で放課後に風紀委員長に付き合って……向かった先の自販機で買って貰ったこのコーラと、ブスが持ってきたシュークリームは俺の物となった。 「掛けなんかするんじゃなかった…」 「俺に勝とうなんて100回生まれ変わろうが無理だな!」 「…ちびガキ」 あー痛くない痛くない。言葉の暴力なんて痛くない。
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