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「なんだこれ」
放課後の中庭で女が倒れている。俺は確認の為に足で突いてみるが反応はない。気絶しているっぽい。足が滑って頭を打った、ってところか?イマイチよく解らない。
「おい」
しゃがんで女の顔を覗き込んでみる。息苦しそうにこちらを目だけで確認しただけで返事はない。そういえばだいぶ前にもこの女は体育の最中に倒れただかでクラスの女連中が心配そうに保健室へ様子を見に行ってたっけ。
「ブス」
「…くそ…チビ…」
呼び掛けると嫌味を返してきた。俺は、チビじゃない。高二の成長期真っ盛りだ。
このまま放置していても俺の風紀委員の仕事の邪魔になるだけなので、ブスのガリガリで骨だけみたいな身体を持ち上げる。お姫様抱っこなんて初めて誰かにしてやった。
光栄に思え、ブス。
つってもこいつはお姫様だっこした所でお姫様って感じでもないし、妖怪だけどな。
「今、治療してやるから待ってろ」
「…」
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