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俺と女の子は駆け出した。
できるだけ早く帰らないと、親に心配をかけてしまうから…
しかし……これから起こる悲劇は、勿論予知などできるはずがなかった…
…………………
前方で響いた鈍い音に驚いて、思わず足を止めた。
女の子と目を合わせ、ゆっくりとそちらの方に進んだ。
そこは…悲惨な交通事故の現場だった…
片方は大型トラック、片方は自家用車だ。
しかし、自家用車の方には酷く見覚えがあった。
「あれ…裕の家の車だよね…?」
「っ!!」
急いで自家用車の方に走る。
車を開けて救出しようとする大人を押し退けて、両親の安否を確認しようとする。
「…パパ…!!」
…まず飛び込んだのはもう動かない父親の姿。
ここで正気を保っていられたのは、救急隊員がすぐ担架で運んでいったからだろう。
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