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「うぁぁぁあぁ!!?」
悲鳴を上げながらも起き上がる。
「っ…夢か…」
声に出さなくてもわかっているが、わざと口に出すことで夢なのだと動転した頭に理解させる。
寝汗が気持ち悪いな…着替えに行こう…
そう思い、ゆっくり一階に下りた。
「あら、おはよう裕一君。早いのね?」
「あ、おはようございます。美幸(ミユキ)おばさん」
案の定、おばさんは早起きで、朝ごはんを作っていた。
彼女の名前は「安藤 美幸」。
両親を失ったあてのない俺を引き取ってくれた母さんの弟の奥さんの妹。
遠縁なのに、葬式の場で俺を真っ先に「引き取る!!」と言ってくれた、半ば命の恩人。
今年18になった娘がいながらまだ40代前半、しかも未だに20代に見える所が不思議だ。
服を着替えつつ、時計に目を向ける。
7:20か…少し早いかもしれないが起こしに行くか。
そう思い、俺はゆっくり二階に行った。
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