序章【深い傷痕】

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さて…部屋の前まで来たのはいいが、どうやって起こす…? 中途半端には起きないし、かと言って無理矢理起こすと俺が危うくなる。 「考えたって仕方ないか。」 毎朝毎朝、同じことを考える自分に苦笑いしながら決死の覚悟でドアを開けた。 一瞬で閉めた。 ありえねぇ…なんで下着姿で寝てんだよ…!? 朝から目の保養…ゲフンゲフン…目に毒だ。 どうすれば起こせるか… 難しく何分も考えた末に出たのは、 「普通に入って普通に起こす」 …まぁ、それ以外になんかあるのかと言われればないんだけどね。 ゆっくりドアを開け、中に入る。 「う…」 中に入った瞬間に独特の匂いがする。 幾度となく嗅ぎ慣れた(やましい意味ではない)匂いのはずなのだが、何故か自然と鼓動が速くなる。
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