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白い封筒片手に、ゆっくりと息をつく。
(だだだだ大丈夫大丈夫ちょっと渡すだけだし先輩優しいから受け取ってはくれるって多分きっともしかしたらって駄目だこれ否定してるよでも何より玉砕することは自覚済みだしあれ今傷ついたいやいやいやいや気のせい気のせいライオンンハートだろ私いや嘘はよくないよねどちらかというとチキン寄りですごめんなさいああ先輩今日もかっこいいなあ横にいる女の人誰だいや嫉妬じゃないよでもイライラするかなうんムラム、間違えたイライラするってかやっぱり輝いてるよね渡したいな渡しにいこうかなと言うか書いちゃったしなラブレター本当古い気がするわうああ先輩今笑った笑顔が今日もシャイニングっ …!!!!)
げっほげほげほ。
内心ノンブレス。
そう、それは藤村はじめ17歳独身(なのは仕 方ないよ高校生だから)、一世一代の大勝負 であった。
…げほげほ。
***
私が先輩に会ったのはある晴れた日の事だった。
…や、意外と曇ってたような、むしろどしゃ降りだったような気もするけど気にしないよ晴れの日の方が思い出的にも綺麗だしね、改竄改竄。
げふん、話がそれた。
それはたぶん良く晴れた日の事だった。
放課後私は傘を忘れて立ち往生、…だめだ やっぱり晴れの日だと話が矛盾するよウソハヨクナイはじめちゃんは正直者デス。
とりあえず話を戻そう。
私がバケツをひっくり返したようなどしゃ降りの雨の中(本当の事を言えばたしかその日は台風が近付いてきていた)傘を忘れて立ち往生していた日のことだ。(朝は風が強かっただけだった。そして私に天気予報を見るという機能はついていなかった。ジーザス。)
横殴りの雨、吹き付ける風、その中を舞う下着。(幾ら私が馬鹿でも台風が来てるなか下着は干さない。誰だよ干した奴。)
いろんな意味で一歩も動けずに昇降口に立ち尽くしていた時に、その先輩は現れたのだった。
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