二章 ~過去~ 郊外の農村にて

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「ルクレツィアが悪いんじゃない!村のみんなの言うコト聞かないで勝手に薬貰ってきたおじいさんが悪いんじゃない!パパだって、そんな薬は止めておけって言ってたのに言うコト聞かないで!」 まだ16歳、しかも割と裕福な村長の一人娘のミクはまだまだ視野も世界も狭い。 女には勉学は不必要とされていた時代、彼女にできる事は僅かしかない。それはルクレツィア以外の全ての女性にも当てはまった。 だからこそ、ミクは自分や周囲が知らないものを持つ、ルクレツィアにまとわりつくのだ。 誰一人教えてくれない知識。世界。文字。誰もが「女には不要だ」の一言で切り捨ててきて、いつしか自分でも「不要」だと信じ込んできたものを。 五年前、この村に移り住んだルクレツィアが変えてくれた。
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