第一幕 孤独少年

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―――息子さんですよ? 本当に売っても宜しいのですか? ―――別に構わないです。本当は……子供なんて要らないんですよ。 ―――では此処にサインと息子さんの金額を記入してください。 なに? なにを言ってるの? ―――脳が1500万で腎臓が850万で心臓が2480万ですね。わかりました。ではあなた達の息子さんは貰っていきますよ。 ―――はい。お金は明日、此方の口座に振り込んで下さい。 貰う…? 誰が…? どうして僕…? ―――さ、行こうか君。 この瞬間、僕の頭の中で何かが繋がった。高額で僕の内蔵を売却しようとしていると。 僕の手を取ろうとした二人の男の手を僕は消し炭にしていた。 悲鳴をあげる二人の男は僕から遠ざかるように逃げ、もう一人の男が僕を掴もうと襲いかかってきたが、ふれる前に炭になった。 遠ざかるように逃げていた男達は部屋から出ようとおぼつかない足で走ったが、横を通り過ぎた途端に骨だけとなった。 親は部屋の隅っこでこの様子を見て恐れたのだろう、必死に謝罪してきたが灰にした。 全てが終わり我に返った時には遅かった。五人は焼死体となっていた。 その後、警察とマスコミが集まったのは十分後だった。
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