第一幕 孤独少年

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誰かが通報した。それはすぐにわかった。しかし誰が通報したかだ。 答えは案外あっさりとでた。警察官は通報したのは女性だと言っていた。 母だ……そう悟った。 警察からの対応は親戚の人に引き取ってもらうということだった。すなわち犯人ではないということだ。 その後、マスコミが写真を撮ったりといろいろとあったが僕は親戚の家に送られた。 しかし、これはよろしい判断ではなかった。 親戚の家でふとしたことで能力を使ってしまったのだ。 親戚は驚き異物を見るような目で僕に言った。 ―――化け物が…。そんなことが出来るなんてお前は人間じゃない。 悲しかった。そして恐れた。 その時、親戚の家は火事になった。その後は覚えていない。記憶になかった。 親戚は死んだが僕は生きていた。 今回も警察は僕を疑わなかった。いや、少しは疑っていた。この時はとても取り調べが長かったのだ。 だが長かったと言ってもたった一週間だったので特に何も思わなかった。 しかし周りの人間は違った。
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