第一幕 孤独少年

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そしてあの老人が行方をくらましてから一年半。 今に至る。 あの楽しいという蜜を吸って生きていたあの日から孤独は更に辛くなっていった。 今僕は公園のベンチに座っている。 ふと今日の日にちを思い出した。 12月24日…クリスマス。 あの老人が居た時は楽しかった…。今は違う。 楽しくない…寂しいよ。 誰も構ってくれない。近づかない。こんなのは……… いや………もう、慣れた……このまま果ててしまえば楽になるだろうか……。 ―――お前は悲しんでいる。何か支えがないと立てないぞ? もう立ちたくない……。誰も支えてくれないから……。 ―――一人で立てないなら俺が支えてやる。だから立て。この世界が嫌なら俺と一緒に行こう。 僕を救ってくれる……? いったい君は誰…? ―――俺は松田 翔一郎だ。
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