2012、なな

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「きみぃは、転生ぃしたいかぁい?」 「そりゃあ、もちろん」 たゆたうのもいいが退屈だ。 もう一度、下に――下界に人として生きれる。 なんとまあ、幸せな。 「そうかあ。ふぅん。では、下界は悲しいことがたくさんあるなぁ?」 「あぁ、戦争とか」 同じ人同士で争う戦争は、何だか醜いなぁ、と思ってしまう。 「呻きやぁ、嘆きやぁ、叫びやぁ、悲しいことが聞こえたら、嫌だろう?」 まぁ、ね。 思わず僕が呟くと、有彩色の人影はけぇらけら、笑った。 「聞こえなぁく、してやろか?」 「……………」 「悲しいのはぁ、嫌だろうぅ?」 「………」 人影は次々に色々言った。 肉親が倒れるのは悲しいから、嫌だろう? 瞳を、無くそうか?聞こえなくしてやろうか。 血の香りはいやなものだ。どうしようもなく、泪が溢れてくるから。 鼻を弱くしてやろう。そうすれば血溜まりの中でも笑えるさ。
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